友達と六本木のサントリー美術館で「ざわつく日本美術」を見た。2〜3回に主題を分けてもいいくらいに見応えがあり最後まで飽きなかった。
今回は撮影可能だったわけだが、携帯電話のシャッター音が気になるという話はその通りだが、しかしそれは端末側の仕様の話であって撮影の可否の議論とは別の話。撮影禁止で見世物小屋化するよりもこう言った形の方が実物の価値を高めることは確かだ。極論にはなるが、情報の一切を禁じればその作品の相対的・金銭的価値は失われる。もちろん映像で残すことはやりすぎと言う人もいるかもしれないが、この情報の多い時代に文字だけでも埋もれる価値は大きく、時代相応の複写と共有は許されないとその時は信じ難いだろうが、失われていくものもあるだろうと思う。
美術館は収集家自慢の場所ではなく、保管や知識や文脈を伝える大切な場所。そして一方で美術館自体がその作品の相対的価値の軸となる金銭を受け取ることで、その価値を見出しているのだから撮影を禁じるのはその刹那的な価値しか見ていないことになる悲しい行為だと考える。
展示内容についてはポップさを取り入れていて分かりやすい。かなり薄味に収まっていたのは、やはり企画や学芸員の方では制御できない領域があるのだろうかと感じた。「らぶらぶ」するの展示ではネオンの表現のみに留まっていたが、ラブホテルをそのまま移築してきたような雰囲気を出すくらいはしてほしかった。
ただ「ぱたぱたする」では立方体に、「ちくちくする」ではこぎん刺し模様に斜めに配置されるなど入れ子状の反復された空間が個人的にかなり らぶだ。こぎん刺しに多く取られたのは個人的には好きで、薩摩切子もあって、最後は「収集」という形に集結されるのは上手だった。そうやって自分達もまたこの展示に収集されたということは紛れもない事実だ。
ミッドタウンで とらや のお店での展示で、寒天作りの手作りの工程には驚いた。日本の長野や岐阜などの気候が生むらしいが近年の気候変動を考えると奇跡とも言えるもの。そう考えて改めて羊羹を見ると、とても安く感じてしまう。
京急川崎へ移動してKawasaki Sparkへ。エンターテイメントの拠点として開業するアリーナやホテル・ライブ会場の「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」が開業まで2年遅れることになり、着工するまでの間にそれまであったKANTOモータースクール川崎校という教習所の跡地を使った公園へ。
その後は川崎市役所周辺・堀之内などの風俗街や暴力団の組の建築の前を通りつつ、焼肉を食べて帰った