(No title)

COTA
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COTAの手記
旅するレストラン「52席の至福」の列車のパンフレットを花小金井駅でもらった。花小金井の駅を降りるとタクシー乗り場は何人か並んでいて、全て出払ってしまっていたようなのでそのままサークルKに寄りつつ歩いて野中東通り経由で花の家へ。 セブンイレブンでおばあちゃんにうどんを、自分用にビビンバ丼みたいなのを買って行った。まだ来ないと思っていたようで鍵はかかったままだった。ご飯を一緒に食べ、しばらく話したのち、1時半くらいにタクシーを呼んで東京病院に向かった。「おばあちゃんも困るだろうけど」と前置きをした上で、「もし万が一、最高におじいちゃんの具合が良くなったら、このイベント電車に乗せてあげたい」「目標は高い方がいいからね」と伝えた。おばあちゃんは難しそうな顔をしながらも頷いてくれた。無理なのはわかっていても諦めずに祈りたい。 タクシーから降りて車椅子を用意しておばあちゃんを乗っけて病院へ。651という病室に変わっていた。また窓側で今度は隣に誰もいないのでよかった。夏は冬に比べると空室に余裕があるようだ。おじいちゃんは早速痰が絡んでいたのか苦しそうだった。ただ酸素吸入器は一番簡易的なものになっていた。ただ食事はおろか水も飲めていないとのことだ。手を繋ぐとすぐにわかったようだ。 足の靴下をめくるとちゃんと爪が切られていた。多分病院の人が切ってくれたようだ。手と足は取られていたようだが、お腹の拘束器具だけはつけたままにしていたようだ。その拘束器具の突起部分を触る癖があったようで、面会中はそれを外してもらったのだが、手持ちぶたさなのかお腹のあたりをもそもそと触っていた。 おばあちゃんはそれを見て、「隣(?)の家のおじいさんも勝手にズボンを脱いじゃう癖があったって聞いた」という話をしていた。おじいちゃんの手を握りながら、おばあちゃんと話していたとき。オレが何度か笑うたびにおじいちゃんがむせこむように何か反応していた。顔が苦しそうな感じだったのでうるさいのかな?と思っていたがどうやらそうではないようだ。 「苦しいの?」と聞くと首を軽く横に振りながらそうじゃないと否定する。またおばあちゃんと話し始めておじいちゃんに語りかけるような話をするとまた強く反応した。 おばあちゃんが「なに?」と大きめの声で聞くと今度ははっきりとオレの耳には聞こえた。ただおばあちゃんはわからなかったようで、なんども「なに?どうしたの?苦しいの?」と聞き返して、その度におじいちゃんの口調が強くなった。 おばあちゃんはそれを見て「怒ってるのかしら」、「今まで怒ったこともないから怒ったら怖いわ」などと冗談のように言っていた。 続けて何か苦しそうにもがきながら、足を強くバタバタさせながら繰り返し言い始めたので、おばあちゃんにこう言っているよと言って制止した。 言っていてはっきりと聞き取れた言葉はふたつ。 「じゃべりたい!」 「こうちゃん」 「喋りたい」は何度も何度も言っていた。 そこでふと数ヶ月前に花小金井のおじいちゃんに来た時を思い出した。いつも通りおばあちゃんとたくさん話したあと、おじいちゃんがいつものように玄関先の外まで見送りに来てくれた。その時珍しく。「またね」の前に「今日はこうちゃんと話せなかったので、今度はこうちゃんとたくさん話したい。」と言っていた。 その後に一度か二度か訪問していて、それより前もその時もそのあとも相変わらず話す量はあまり変わっていなかったのだが。ただその台詞を思い出した。 そして聞きたくなかったがこんなことをボソッと最後に言った。 「家に!帰りたい」 おじいちゃんとは別れ際に、「先週よりすごく良くなっているから」「頑張って立てるようになって」「タンも自分で取れるようになったら家(に帰るの)も夢じゃないから」と。 実際先週の金曜日に比べるとかなり良くなっている。無意識に手足をバタバタさせているわけでもなく。ただ拘束されていたからか逆に大人しくなったぶん、リハビリの道は険しそうだった。足も片足は曲げたままだ。 あとは痰も人より出すのが下手なようだ。そういえばおじいちゃんが痰を吐き出す音を聞いたことがない。 痰の吸入をしてもらって話した後、自分でいくつか痰の塊を出して舌の上に乗せて来たのでティッシュで取ってあげた。それを何度か繰り返した。その後に取り出せないようなものがあったのでナースコール(呼び出しボタン)で看護師さんを呼んで撮ってもらった。その後はすっきりしたようで、眠そうにうとうとしていた。 帰りもタクシーで一旦おじいちゃんの家へ。その後30分ほど話してから花小金井駅に向かった。 秋葉原 京都勝牛 ヨドバシAKIBA、 STORY CAFE by YURINDO。
このとき居た場所
  • 花小金井

    東京都立小金井公園の最寄り駅。駅名は玉川上水堤に植樹されていたヤマザクラ(小金井桜)に因んだもの。旧住所は野中新田与右ヱ門組

  • 庭先にある紅白の梅
    花の家

  • いますぐ楽になる

  • 何かをしてあげたい・祈りたい

  • 強くなる・しっかりさせたい

  • 気持ちを発散する

  • 認められたい

  • 捉え方を知る

  • 開放的になる

  • 移動を楽しみたい

  • 穏やかな気持ちになる

  • むかしを見つけたい

  • 趣味を探す

  • 懐かしい気持ちになる