美術館とは? 幕末明治の絵師と とらやの展示
COTA
お誘いでサントリー美術館「激動の時代 幕末明治の絵師たち」の展示へ。西洋画の質感や表現を日本画のものとしていく過程で追えた。
今回も撮影禁止(一部展示物以外除く)が続いているのはせっかく手元に記録できる端末がある時代になったのに、文化保護より営利優先で保護意識の低さが目立つのは日本の残念なところで全ての良さを打ち消す。これらは同美術館に限らず、それぞれ事情があることは解りたいが、他者より囲い込みの自己で突き進むと長い年月では業界自らの首を絞めるどころか滅亡させることになる。日本の美術館は核心を忘れ去り表層だけインテリの固く静かな冷たい見世物小屋に堕ちていいのか。これほど魅力ある日本画が感覚と師弟関係・門下制度をとり、理論思考と広めることに重きを置いた西洋のデザインに世界のステータスを取られた歴史の再上映を望みたいようだ。
過程で追えた点は素晴らしく受け止めやすいこともあり、例えばモチーフが東海道53駅などかぶるものがあったため、だったら同じ「地点」としても現在の街の似た場所の映像とともに変遷を辿れたら面白かったのにと思うこともある。
その後、同じく東京ミッドタウン内にある とらや東京ミッドタウン店ギャラリーの企画展「はじめて知る銭湯」で銭湯文化を見る。いつもなら取り上げることもないが、同じ日本文化でもサントリー美術館の展示以上に生活に密接な面で見せてくれ、個人的な受け止めやすいのりしろが大きく興味深かった。小さいギャラリーながら展示手法も情報デザインが綺麗にまとまっていて良い。まるでミュージアムのあるべき姿のようだ
サントリー美術館 「激動の時代 幕末明治の絵師たち」