感覺

ブロックチェーンと未来の痕跡

COTA

大きな正義は小さい芽を潰す――
六本木で歩きながらの映像を交えながら、これからの人類とこのサイトの立場をお話ししておきたいと思います

東京ミッドタウンのエントランス

2020年の10月、六本木の2つの建物であるミッドタウンとヒルズの設計思想をブロックチェーンを含めた社会の変化に重ねて語りながら歩きました。

これまで私の住む日本は一部の業態を除いて積極的な活用から目を背けてきた在宅勤務(リモートワーク)をしなければならない状況が生じました。人口減少となる地域が増えていく中で戦後初めての年を絡めた生活構造の変化です。

遡れば弥生時代以降、人類はここまで基本的に大きな勢力への依存を高めることで効率的な生活を良しとしてきたところがあると思います。大きな勢力の台頭・支配や集約はある側面から見ると効率化の面を伴う一方で、別の味方では聖域を生んでしまい全体効率や長い期間での発展という点では妨げてしまうことも確かだろうと思います。またそれぞれが持っていた個性を無くしてしまう面も持ち合わせているように感じます。

六本木ヒルズの誕生と東京ミッドタウンとの違い

六本木ヒルズができた時、その巨大建築と商業施設からオフィス・ホテルや美術館まで網羅した建物に多くの人が魅了されていたようでした。しかしこれは六本木だけが特別なのではなく、地方ではコンパクトシティ、そしてショッピングモールと集約は強まるばかりでした。私は六本木ヒルズをはじめて訪れた日、改札を抜けると一歩も外に出ることなくたどり着けるアプローチを見て巨大な怪物に人々が飲み込まれていく様に思いました。

六本木ではこのしばらく後に東京ミッドタウンができます。こちらは建物の構造も特異なものでした。建物には東西にガラス張りの面で威圧感がなく、周囲の環境と一体となっている。こちらの完成時は六本木ヒルズに比べると非常に地味なものではあったものの、私はそんな集約に静かに反旗を翻すミッドタウンに未来を感じたものでした。

2023年になってマスクを外す人も出てきて、コロナによる騒動はおさまりつつあります。在宅勤務を取りやめる企業も出てきています。一方で移動こそ商売の要である鉄道を営む関東の西武鉄道はその在宅勤務の効果を否めないといった報道もありました。職場での働き方をそのまま在宅にねじ込めば無理が生じるし、在宅勤務だからその特性を活用すれば通勤などの業務外の時間も有用になり効果は大きいといったところでしょうか。

いずれにしてもコロナを契機に、オンラインではNFTエヌエフティ(((( NFT=Non-Fungible Tokenとは、「代替不可能なトークン」という意味。参加者相互の検証が入ることでコピーや改ざんをしにくくし、デジタルデータの資産価値を持たせられるようになった))))や暗号資産(仮想通貨)といったブロックチェーンの意識は強まりを増しました。かつて2010年台にWeb2.0と言ってコミュニケーションが取れることがこれからの時代として必須とされ変化していきましたが、Web3という時代を迎えています。

NFTなどは2023年時点では一部の方にわかりづらい面もあると思うので、このサイトを具体例として説明に使いつつ、サイトを改版した背景としての両方向からまとめます。現状というよりも未来を考える記事としてご覧いただけたら幸いです。

Twitterツイッター(Xエックス) の運営が示してくれたこと

執筆時点である2023年、Web2.0の時代を牽引したSNSの一員でありマイクロブログなどと言われたテキストコミュニケーションツールの Twitterツイッター ( 2023年現在のXエックス ) が揺らぎました。

経営者の交代で今まで特定思想の記事が目立つ場所に掲載される運営を行ってきたことがなくなり、また記事の正確性の検証を議論する場所を提供するなど特定企業のサービスは良い面もありました。一方、正確性が不透明なアカウント凍結も多く発生しています。特に経営者に対立する投稿によって存在(アカウント)を消される人が続いたことは印象的でした。

また新しい経営者の思いつきで変わっていく環境に自分の身の回りでは多くのユーザーが戸惑っていたことも見受けました。それは大きな勢力というのは握っている人物によって混乱や時に崩壊を招く危険性も示唆しているのだろうと思います。

こういった話はTwitterなどのサービスや国内外に関係なく、例えばお店や専門職などで経営者の世代が変わったことで品質や味が変わったというのは良く聞く話で何も特別ではありません。ブランドや変わらない精神を保つことは変化する社会環境の中ではとても難しく、今までは”そういうもの”でした。

そんな一箇所への縛りから脱却する流れが出てきていました。分散型ウェブ時代の到来です。

コミュニティは運営者に全てを委ねられていた。分散型ウェブ時代では過半数の合意が前提となる

またその一つが所属するコミュニティを越えて対話ができる「Fediverseフェディバース」です。

Threadsスレッズと流れの転換となりつつあるいま

写真共有サイト InstagramインスタグラムFacebookフェイスブック を運営してきた Metaメタ は、 Threadsスレッズ というテキストコミュニケーションのサービスをこの先 Fediverse ((((対応している分散型ソーシャルネットワーキングサービスを提供する独立したサービス・サーバーの枠を越えて横断的にフォローしたり閲覧できる))))に対応させることを約束して提供を始めました。

COTA個人のSNS

今まで多くの企業はそのサービスへの依存度を高めることで囲い込んできました。大企業として分散型のシステムは利益になりづらいため好まれないためです。

メタの流れは分散型のサービスが一般に定着してこなかった今までの流れを変える可能性があるものです。もちろんメタにとっての分散型SNSへの参入は利益になるという判断からであると思いますが、ここまで一般に知られてそれが実際に活用されるまでのきっかけとなる流れがなかったという意味では大きな変化です。

今まではサービスの壁を越えることはできなかった。分散型ウェブ時代では所属していないコミュニティについても対応した集まりと対話ができ、所属しているコミュニティの移動もできる

人で見るのではなく性格で活かす世界

例えばものづくりにおいても決定権が絶対的な存在である場合、「人」という単位で良し悪しが決まったり業務でありながらも癒着など不透明な部分がありました。これは支配者が参加者へ縛りを強めるための儀式のようなものであり、これによって人によって萎縮してしまい発言が許されない空気が出来上がることもありました。

そのグループの中ではいいとしても、人類としての発展を考えたときに、異を唱える人にほど新しい可能性を秘めているという点においては発展を妨げる存在でもありました。平等性に欠ける部分もあります。

人に生きがいを与える

分散型のブロックチェーンでは絶対的な存在がおらず、決定は過半数の賛同を得る必要があります。上下関係の意識も不要で希薄になるため、自然と人間は専門性・キャラクター性が重要になります。

専門性が高まった世界は、その専門分野をひとつとってもより良いものを選択したり、検証が求められて着実な成長をしていくことになりそうです。そして人間は役割というものが生きがいへとつながる面もあると思います。

分断された専門分野同士はAIなどの別の集約させるテクノロジーが補完するかもしれませんが、それはまた別のお話とします。

思い返せば今までは当たり前だったため諦めていたものの、一つの権力に縛られない環境が望ましいと思える光景を今までも何度か見てきたと思います。そういった意味で世界的な今後のおおまかな流れと行って差し支えないでしょう

権力者の「その制作者が良い・悪い」という判断から、全体を見ながら専門の分野から最適とされるものが検証された上で選ばれて制作される

この場所でも独立したウェブサイトとしてどの企業にも依存しない発信を行なっていきます。またフェディバースなどその仕組みにあやかることにしました。

同じ目的をもったメンバーが共同で所有・管理する組織やコミュニティをDAO、Decentralized Autonomous Organization(分散型自立組織)と呼んだりします

会話への敷居を下げ、正しさを検証しやすく

具体的な視点からもうひとつ見ていくと、これはこのサイトではまだ実装されていませんがコメントのあり方も変わろうとしています。

今まで文字情報がメインのSNSやメッセージアプリへの投稿はできても、「コメント」というと少し敷居が高いように感じた人も多いかと思います。このサイトを運営していてもコメントをしていただく方はよほど特別な気持ちを抱いてくれる場合くらいでした。サイトにコメントはしないでメッセージアプリにその記事のURLを貼り付けて言及していたと思います。

それがそれがフェディバース対応のサイトでは、コメント欄に記入したことは自分が所属する場所では「発言」となります。またサイトの管理者からの返答も返信(リプライ)として届くようになります。データはお互いの場所それぞれに保持されます。こうして参加への敷居は低くなり、コミュニティの活性化や問題に早く気づくことができるようになりそうです。

Fediverseに対応したサイトであれば、記事も発言のひとつとなりサイトのコメント欄を確認しなくても対話や議論ができる

投稿への返信がサイト上にも反映される程度で、現段階ではまだSNSのように積極的なコミュニケーションには向いているものではないですが、フォロー(友達登録)していただいた方だけに向けたコンテンツも発信していきます。

COTA
COTA
このサイトのアカウントは下記のとおり
@owner@cota.jp

また、COTA 個人として @c があります(今後、Fediverse対応次第、@cota をメインにする予定)

それぞれフォローにはFediverseに対応したアカウントが必要です。

代表的なFediverseプラットフォームと有名なインスタンス(サーバー)をご紹介します

フォロワー(お友達)向けのコンテンツ

このサイトをフォローしていただいているかどうかで下記の内容が変わります

これが表示されている方はフォローされていない方です。フォローお待ちしております

お金も保険も分散させる

また同列のものとして暗号資産があります。これは今までお話ししていた発言や投稿などの「著作物」を「金銭」に置き換えるととっつきやすいかもしれません。

支配者という存在もありましたが、お金においては仲介人のような存在が目立ちました。それは手数料を徴収する存在です。直接の金銭のやり取りは問題が出てしまいます。現金を持ち歩けば危ないですし、支払いから逃れようとしたり騙し取る存在もいました。仲介する存在はそういったものから守る役目がありました。

しかしこれが暗号資産となるとその存在は不要です。お金を送る側と受け取る側が直接安全にやり取りできます。

仲介されなくても安全に送金できる

取り消し・削除や変更ができないという問題

問題もあります。それはその秘匿性ゆえ、例えば権限がある人(支配者)が取り消したりすることができましたが基本それが叶いません。暗号資産自体は持ち主が変わることができるものの、管理できる存在がいないがゆえに取引した情報は取り消しが効きません。

少しわかりづらいかもしれませんが、発言にしても取引にしても「取り消す」というのは問題が生じます

分散型の特性
  • やり取り・作品・取引などひとつ一つに固有の番号(ID)が振られていて、その中身が変わると信頼を揺らがすため変更が効かない
  • 削除という動作も、データを分散して保有する以上はそもそもできない

例えば保険も分散型で補う

そういった分散型ウェブ時代の問題も、分散型が補っていきそうです。現実、保険も分散型で実現されているものもあります。

少し前に魅力的な計画に賛同した人たちで出資をしあい、個人や小さな団体でも資金を確保して目標を達成するクラウドファウンディングが注目されました。これと同様に、保険も多くの人がかけて基金をしておき、事故に巻き込まれた人に集まったお金で保証するといったものです。

例えば万が一の盗難や危害を受けた際の保険制度も出資しあい、それをトラブルの際に被害を受けた人が補填することでブロックチェーンで可能です。

ブロックチェーンを基盤に中央集権的な管理者が不要な金融サービスをDeFi、Decentralized Finance(分散型金融)と呼ばれることがあります

このサイトでの導入

サイト・コミュニティのほかにも決済手段も暗号資産を導入しています。

今までサイト上での決済は何も導入していませんでした。個人を主体として何かを行う際に、特定企業のサービスを使ったり手数料を払うことはコストの他にそれぞれの立場の公平性に欠けるものがあったため、一律してオープンにしていました。

こういった考えは私 COTA だけではなく、多くの人にとってもウェブコンテンツそのものの敷居を高くしていたと思います。また一方でオープンにすることが定着することでクリエイターへの還元がしづらい風潮も出ていたと思います。

世界がよりユニークなものによって楽しめる場所であるような願いも込めて、暗号資産を自らも導入して試していこうと思っています

暗号資産での支払いは実験的なものです。購入できるコンテンツは現段階では閲覧する特別な価値はありません。これは払い戻しなど問題が起こった場合に全てをカバーしきれないためです

これらは時代が進みにつれてより具体的に導入していきます

暗号資産支払いができている方はコンテンツが表示されます

恐れ入りますが現在REST APIにエラーが出ているため、該当の機能を無効にしています。問題解決が確認できたら有効にします。

2023年8月時点では実験的なものになります。購入しても返金はできないため、利用される方は遊びで支払いができる方のみとしていただけますと幸いです。

方向が定まるまで取りやめる可能性もあります。

世界に記録する

繰り返しの表現になってしまいますが、大企業の提供するサービスが企業が制御できるのと異なり、分散型は制御する絶対的な存在がいません。

とにかく重要であり絶対なのは、個別に割り振られた番号(ID)の複製や改ざんを許さないということです。そうして、発言だけでなく創作物にも番号を割り振って「作りました」という宣言をすることが大切になってきます。

その番号や発行記録を残すことによって、二次創作・三次創作が原作者の知らない場所でされたり、原作者の元に辿れず二次創作者にだけ対価が支払われるような事態も回避できます。

発言や写真・制作物などに固有のIDが割り当てられるので、改変や引用・二次創作を見たものがその原作者を知ることができる。また改ざんの抑止力となる

いずれにしても創作物・表現・発言においても一意の情報が不可欠となります。そのためURL、内容、投稿日、投稿者、編集履歴など。情報を改ざん・消去が不可能と言われるブロックチェーン上に記録するタイムスタンプをこのサイトの発行物でも行うことにします。

COTA
COTA

現在いくつかの方法を試していますが、CMSシステムがうまく対応してなかったり自分なりの最適解が見つかっていません。世間の流れなども含めその時々で変わると思うので、今ここではこれ以上の具体例は控えておきます

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原点回帰

いちばん古く、日本のWeb1.0時代から私 COTA を知る人は、かつての配信やSNSの構築などで家だったり秘密基地のような場所づくりをしてきたことを見てきたかと思います。

今まではみんなの力がないとそもそも稼働しなかったり、予定が合わずに実現が難しい、そして固有の場所に配置されるわけではないので財産として残らないと言ったことがモチベーションも下げていました。

どうしても主導的に取り組まないとうまく発信できなかったり、チームでは誤解を与えてしまうような面もあるので自分という人間を一つの単位として発信するにあたってこれからの時代を楽しみにしながらも更新していきたいと思っています

六本木を語って五反田で夕食

東京ミッドタウンと六本木ヒルズ森タワー。このふたつの設計思想の違いはこの先の人類のあり方を教えてくれるように感じました。そして私たちはそんな2つのビルを背に、六本木ではなく一路下町と言える五反田の繁華街に移動して夕食を楽しむ。東京のそれぞれの街にも違った表情があるように、様々な特性があっていろんなあり方を楽しむことは忘れてはならないことなのでしょうね。

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    六本木・東京ミッドタウン
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