COTAの手記
東北新幹線で盛岡を目指す。東日本大震災で盛岡までは4月23日まで運休していたが徐行運転で再開。ただほぼ誰も乗っていないと言ってもいいくらいに人が少ない。盛岡からは山田線で宮古へ。宮古駅を降りると津波での被災した風景以上に生臭い香りと砂埃がひどかった。これはネットやテレビではわからない感覚だ。宮古の港の前では車どころか船まで散乱している。港を歩いていると一人の男の子が木の棒を持って俯いて歩いていた。人それぞれに何があったかはわからないが、想像しながら思いを馳せた。浄土ヶ浜には立ち入れなかったが、上から見る限りは想像よりも綺麗だった。その後はバスが空いていたのでバスに乗って宮古に戻ったが、何もなくなった場所を時間通りに動いているバスが不思議に感じた。宮古から三陸鉄道で田老を見てきた。街は本当に何もなくなっていた。田老から宮古に戻ると三陸鉄道の運転手さんや駅員さんから「ありがとう。」と幾度となく深々とお辞儀をされた。出発前、被災地に行くのは何事だと周囲にひどく言われた。しかし運転手だけでなく他にも観光案内所で感謝してもらえたり誰もいない新幹線、ガラガラの焼肉屋さんを見て、やはり観光とは切っても切れない場所であり行ったことは良かったと思う。夜にいつも盛岡に来た時は行っている焼肉屋さんへ。ただでさえ美味しいお店だが、何倍も美味しく感じた